・麻布十番が下町から高級住宅街になった歴史
・2026年最新の坪単価と地価データ
・「陸の孤島」が人気エリアに変わった理由
・下町情緒と高級住宅街が共存する街の構造
・麻布十番が選ばれ続ける理由

アナリスト
「麻布十番」と聞くと、活気ある商店街と高級住宅街という、少し不思議な組み合わせを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
麻布十番は、下町情緒あふれる商店街と都内屈指の高級住宅街が同居する、他にはない個性を持ったエリアです。庶民的な温かさと圧倒的な地価が共存する、その理由はどこにあるのでしょうか。
この記事では、国土交通省の地価公示データ(2026年最新)をもとに、麻布十番の坪単価・街の成り立ち・資産価値を不動産アナリストの視点で読み解いていきます。
💡 本記事の価格dataは、国土交通省「地価公示」(2026年)をもとにしています。実際の取引価格は物件の条件により変動します。
麻布十番が下町から高級住宅街になった歴史
麻布十番の歴史は、意外にも「庶民の町」から始まっています。
麻布十番は、平安時代開山と伝わる古刹「麻布山善福寺」の門前町として、江戸時代から約300年以上栄えてきました。古川の水運を活かした交通の要所でもあり、馬市や馬場があり、大名の下屋敷とそれを支える町人の町が形成されていきました。
善福寺と国際化のはじまり
善福寺は1859年、初代アメリカ公使館として使われ、初代公使タウンゼント・ハリスを迎えた場所でもあります。これをきっかけに、麻布エリアには外国の使節団が集まるようになり、国際化の土台が築かれました。
坂上の台地が高級住宅街に
かつて大名屋敷が並んでいた坂上の台地部は、明治期以降に区画整理が進み、政治家や実業家の邸宅が次々と建てられました。坂の下の商店街(庶民の町)と、坂の上の邸宅街(高級住宅街)という、麻布十番独特の二層構造がここで生まれたのです。

アナリスト
2026年最新の坪単価と地価データ
それでは、麻布十番の実際の地価を見ていきましょう。
- 住宅地の平均坪単価
約1,522万円/坪(460万円/㎡) - 前年からの変動率
+15.4%の上昇 - 駅周辺の平均
坪1,173万円前後
2026年の麻布十番の住宅地公示地価は、坪単価で平均約1,522万円。前年から+15.4%という非常に高い上昇率を記録しています。これは白金台をも上回る、都内でもトップクラスの水準です。
商店街の庶民的なイメージとは裏腹に、坂上の邸宅街の地価は極めて高いのが麻布十番の特徴です。
「陸の孤島」が人気エリアに変わった理由
麻布十番には、街の価値を語るうえで欠かせない興味深い歴史があります。それは、長らく「陸の孤島」だったという事実です。
鉄道交通が主流になった時代、麻布十番には長い間、最寄りの鉄道駅がありませんでした。車やバスでしか訪れられない不便な立地だったのです。
鉄道駅なし
「陸の孤島」
不便さゆえに、かえって隠れ家的な独特の風情を保っていた。
2路線開業
利便性が向上
南北線・大江戸線の開業で、一気に人気エリアに。
ところが2000年、東京メトロ南北線と都営大江戸線の「麻布十番駅」が開業。不便さが解消された一方で、隠れ家的な風情はそのまま残り、一気に人気エリアへと変貌しました。この「不便だった時代の風情」が今も街の魅力になっているのは、麻布十番ならではです。
下町情緒と高級住宅街が共存する街の構造
麻布十番の最大の魅力は、対照的な2つの顔が共存していることです。
- 300年以上の歴史を持つ老舗(永坂更科、豆源、浪花家総本店など)
- 石畳とレンガ調のヨーロッパ風の街並み
- 憩いの広場「パティオ十番」と「きみちゃん像」
- 3日間で40万人が訪れる「麻布十番納涼まつり」
- 老舗と新しいおしゃれな店が共存する活気
坂の下の商店街には人情あふれる下町の温かさがあり、坂の上には静かな高級邸宅街が広がる。この「庶民性」と「高級感」の共存が、幅広い層に愛される理由になっています。六本木ヒルズや麻布台ヒルズが間近に見える立地も、都心の中心にあることを物語っています。
麻布十番が選ばれ続ける理由
東京メトロ南北線と都営大江戸線が利用可能。六本木・目黒・新宿方面へスムーズにアクセスでき、都心の中心に位置します。
300店以上が集まる商店街で日常の買い物が完結。老舗からおしゃれな店、高級スーパーまで揃い、暮らしやすさは都心随一です。
周辺に多くの大使館やインターナショナルスクールが集まり、外国人居住者も多い国際色豊かな街。輸入食材スーパーも充実しています。
高級住宅街でありながら、商店街を中心とした人情あふれるコミュニティが健在。都心では希少な「人のぬくもり」が感じられます。
麻布台ヒルズなど周辺の再開発も進み、資産価値は堅調に上昇。都心一等地としての希少性が将来性を支えています。
📌 麻布十番の推定資産価値(例)
都心の邸宅として敷地50坪の物件でも、平均坪単価1,522万円で計算すると土地だけで約7億6,000万円規模。坂上の邸宅街は、都内でも最高水準の地価を誇ります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 麻布十番の「十番」の由来は何ですか?
諸説あり、はっきりとは分かっていません。古川の改修工事で「10番目の工区だった」「10番目の土置き場だった」などの説があります。町名として正式に成立したのは1962年です。
Q2. 麻布十番はなぜ地価が高いのですか?
六本木・広尾に隣接する都心一等地であり、坂上には政治家や実業家の邸宅が集まる高級住宅街が広がるためです。商店街の利便性と国際的な環境も価値を高めています。
Q3. 麻布十番納涼まつりとは何ですか?
毎年8月に開催される商店街最大のイベントで、3日間で約40万人が訪れます。各国大使館が参加する国際バザールなど、麻布十番らしい国際色豊かなお祭りです。
Q4. 麻布十番は高級店ばかりですか?
いいえ。高級レストランもありますが、商店街には気軽に立ち寄れる老舗や庶民的な店も多く、日常の買い物にも便利です。この幅広さが麻布十番の魅力です。
麻布十番|まとめ
📌 この記事のまとめ
- 麻布十番の2026年住宅地平均坪単価は約1,522万円(前年比+15.4%)
- 善福寺の門前町・庶民の町から発展した歴史
- 2000年まで鉄道駅のない「陸の孤島」だった
- 坂下の商店街と坂上の邸宅街が共存する二層構造
- 庶民性と高級感が同居する唯一無二の高級住宅街
麻布十番の魅力は、下町の温かさと都心一等地の格式が同じ街に共存していることにあります。「陸の孤島」だった歴史が育んだ独特の風情が、今なお街の価値を高めているのです。
成城・田園調布・白金台・広尾とはまた違った顔を持つ麻布十番。ぜひ他のエリア分析記事と比べて、それぞれの街の個性を味わってみてください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました🙇♀️
▼ 参照リンク(一次情報)
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資判断や不動産取引に関する助言を目的とするものではありません。掲載する地価・坪単価は国土交通省の公表データに基づく参考値であり、実際の取引価格は物件の条件により異なります。個別の不動産取引については、宅地建物取引士等の専門家にご相談ください。


